雲間ノ滝(長野県 松本市)

6/3 雲間ノ滝へリベンジ

王滝川百閒滝への訪瀑の翌日、滝めぐりで有名な小坂の滝達が近くにあるがそこには寄らず、少し離れているがある滝へリベンジのチャレンジをすると心に決めていた。

十石山という乗鞍の北東にある山から梓川に注ぐ障子ヶ瀬には謎多き滝がある

雲間ノ滝


この滝と私は因縁が深く
昨年7月、父親とこの滝を狙ったが、危険なトラバースと下部連瀑帯がどこまで続くのかわからず、敗退。

その後、嶽谷滝の帰りにドローンで撮影しようとしたが、なぜかドローンがGPSを補足せず断念。
そして今回3度目の正直、去年よりすこしは逞しくなったつもりの滝ペー。
リベンジ果たしました!

雲間ノ滝は上高地への玄関口として、重要な観光国道であるR158から1kmほどしか離れていないところに位置する。

実際、連瀑帯の一部と、主瀑の飛沫は国道からでも確認できる。

葉の落ちる時期は主瀑もかすかに見えるようだ。


今回のリベンジに入る前に、昨年7月の写真の一部を振り返ってみようと思う。


・・・
これは昨年敗退時にドローンで撮ったもの、このときは操作が未熟な上、送電線があった為、これ以上の、接近は諦めた。
空撮写真を拡大したもの
下に見えるのは下部連瀑帯の一部、上に木々の隙間から主瀑である雲間ノ滝が見える。
かなりデカイ滝であることが伺える。
(支渓の小滝、現在は少し様子が違ってました)
昨年、最終的にたどり着いたのはこの位置まで。下部連瀑帯の途中で15m、30m級の滝が確認できた。
そのまま障子ヶ瀬を遡行した場合は、連瀑帯の最下部にある10m滝に当たり、ここで打ち切った。
はるか上部に主瀑の右岸壁が見える。

雲間ノ滝は連瀑帯の最上部の主瀑を指し、その連瀑帯は地形図で確認したりグーグルアースで調べると比高差200m以上の国内でも稀有な巨大連瀑帯であることがわかる。
この辺りは後ほどもう少し詳しく書きたいと思う。
さて、一人でリベンジスタート


チェーン脱着場に車を置きスタート。
橋の袂から入る。
ここの足場、あと数年で壊れそう。。
底が抜けたら梓川へボチャン。
ボチャンでは済まない、グチャリかも。。
梓川の右岸を歩いて行くと障子ヶ瀬に当たり、僅かな踏跡を辿る。

遡行は全て左岸。
左岸から堰堤を越える。
2基目の堰堤は左岸にトラロープがある。
これは、なんの人用?まさか雲間ノ滝に行くようではあるまいとおもうが、、釣りかな?
まもなく、支渓と合流
このはるか上流には国道からよく見える無名滝がある。その無名滝を雲間ノ滝と勘違いしてる人も多いらしい。
すぐに小滝に当たる、昨年よりスッキリした印象。
左から登れるが、ヌルルッと滑る。
堰堤が見えたら、右岸の痩せ尾根へ取り付き登る。
この堰堤どうやって作ったのか
工事用道路がどこかにあるはずだが
尾根は少しずつ支渓から離れて、右手には派生したガレがみえる。
左手下方にも大きなガレを確認できる

ここはかなりの登りで、左手の上方に崖が見えるまで200m以上登る。

昨年はここで2回トラバース位置を間違えて諦めたのだった。
間違えるとすぐに連瀑帯の中段に当たり進退窮まる

崖の基部まできたら滝に向けてトラバースがはじまる。

そしてこのトラバースこそが雲間ノ滝への最大の難所にして、私のこれまでの滝巡りで最も難儀したものであった。
トラバース開始すぐに目印の崖を発端とした大きなガレに当たる、ガレに出るのに弱点を見出せず、30mの懸垂。
ガレの流心は昇降できるギリギリの斜度。
反対側への取り付きがかなり際どく、相当高度を下げて乗り越した。

奥を見るとガレで高さを下げすぎたのか、主瀑直下連瀑帯の核心部のレベルに居る、とんでもない地形に身震い。
逃げるようにガレの横の痩せ尾根を登り返した。
ガレの流心に着地したレベルまで登り返し、再びトラバース。

150m先にはもうもうとした飛沫が見え、瀑音が山全体に轟いている。
正直凄く怖くなった。一人でとんでもない魔境へ来てしまった感、瀑音はまるで魔王の叫びのように谷に響き、木々が共鳴しているような錯覚。

高度を調整しながら滝方面へトラバースすると、またすぐにガレが現れ、ここも微妙で10mのロープを出す。
滝まであとほんの少しの所でまたまたガレ。
ここでも滑落したらまず助からないし、足場も最悪、掴むものもない
命綱なしでは危険だと判断して、ロープの使って通過した。

回収し、滝が見えるまであと30mくらいのところで、滝が見える位置より少し上だったので30m一杯懸垂した。

結局、3回のガレの通過、ならびに下降に持ってきた30m×2本 10m1本全てを使った 。


難所は無いと聞いていたが、、なんなんだこれは。。
単純に私のルーファンが悪いのか、、それともこの程度ホンモノの滝ヤにとっては難所ですらないのか?
いやしかし、このトラバースは本当に難儀した。


懸垂してたどり着いた先には、綺麗な草付き、そして

雲間ノ滝 到着!

車から2時間と少し
近いようだが、その道程は果てしなく過酷だった。

ようやく、ようやく見ることができた

そして驚愕の光景、この飛沫

凄すぎぃいぃい!!

凄すぎる…
本当にこの景色には言葉を失った。
凄絶といえば良いのか、、私の語彙力では到底表現できない異次元の空間。

天高く立ち昇る飛沫のそれは、発生源たる滝頭よりも上まで舞い上がっていた
上段の吹き出しをアップ。
斜めに入りブワァッと砕ける
この上段だけですら巨瀑と呼べるデカさ
70mくらいあるのではなかろうか。

スローは1秒開けられないほどの飛沫
先人の記録を見る限り
ここ10年ほどで大きく形が変わったようだ。
特に下の段は大きく崩れ、滝下へも行くことができる。
このときは滝下に行ってもなーと思ったが、2度と行く機会があるかわからないので行くだけ行けばよかったと後悔。
少し登り、上段の横へ
ここはもはや暴風雨の真っ只中。
とても長い時間居られるものではない。
主瀑滝下は隔絶された空間で、行くのは相当大変そう。 下段の滝を登るしかないかもしれない。
主瀑以下の連瀑帯の正体を少し調べてみた

グーグルアースで過去の航空写真を見ると全景に近い姿が映し出されており、その全貌は日本有数の巨大な滝であることがわかる。
主瀑の上にも滝は連なるらしいので全比高差200mは優に超える。

色々調べたが、沢屋が障子ヶ瀬を遡行した記録もなければ、雲間登攀の記録もない。
日本においてこれほどの滝が未だに全貌が明らかとなっていないのは奇跡と呼べるのでは。
話は逸れるが、日本一の秘瀑である剱沢大滝は9段で140mだというが、連瀑となっており、一つの滝とは到底呼び難い。
それでも世間では一つの滝と認識されている(個別にアルファベットが与えられている)

この雲間ノ滝も主瀑とその下の段だけを示すのではなく、下に続く連瀑帯及び主瀑の上に続く滝も含めた総称とすると。。
その規模は…( ゚д゚)
想像は止まらない。

まとめると
・雲間ノ滝は国道158号線から1km程度しか離れていない
・主瀑へのアプローチは困難を極める(個人的には最難関クラスだった)
・雲間ノ滝は脆弱な地質にある滝で、絶えず崩壊を繰り返し、姿を変えている
・雲間ノ滝は比高差200m以上の連瀑帯の主瀑を指す
・連瀑帯の全貌は明らかとなっていない

さて、この滝を知る滝ヲタさんたちは雲間ノ滝をどう評価しているのか とても気になる
私は全貌において検証する必要がある「幻の滝」として提起したい。

瀑へ

日本の美しい渓谷景色に心酔してしまい、いろいろなところを旅しています。 特に「滝」を心から愛してやみません。

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